暴力団総合対策の推進

  1. 1 暴力団総合対策の概況
    事件捜査と連動した暴力団排除対策を推進して「社会対暴力団」の構図を確立し、暴力団を社会から孤立させるため、警察では
    • ○ 暴力団員等の徹底検挙と資金源の封圧
    • ○ 暴力団排除対策の推進と暴力団離脱者の社会復帰支援
    • ○ 暴力団情報の収集・分析
    • ○ 保護対策の徹底
    を重点として、歓楽街や各種業界から暴力団に流れる構造的な資金源を把握し、県警察の総力を挙げて事件化しています。また、暴力団の離脱支援、暴力団離脱者の就労支援など暴力団離脱者の社会復帰対策にも力を入れるなど、暴力団総合対策を推進しています。
  2. 2 暴力団員等の検挙状況
    1. (1)全国  平成28年中の暴力団構成員等による犯罪の検挙状況をみると、前年に比べ、傷害・窃盗・覚せい剤取締法違反の検挙は減少しているものの、詐欺の検挙は、前年に引き続き窃盗の検挙人員を上回りました。
    2. (2)広島県  平成28年中、県警察では、暴力団構成員等を194人(首領(組長等)4人、幹部8人、組員54人、他128人)を逮捕・検挙しています。罪種別の特徴は、伝統的資金源である覚せい剤の密売、恐喝、賭博が増加しています。

      (主な検挙事例)

      • ○ 共政会幹部による詐欺、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反事件
      • ○ 共政会組員らによる銃砲刀剣類所持等取締法違反、建造物損壊事件
      • ○ 侠道会幹部組員らによる賭博開帳図利等事件
      • ○ 浅野組組員らによる児童福祉法違反事件
      • ○ 神戸山口組組員らによる生活保護不正受給詐欺事件
      等で、引続き暴力団組織の壊滅を目指して、取締りを強化しています。


    3.暴力団員に対する行政命令
     暴力団対策法は、指定暴力団の暴力団員による暴力的要求行為や暴力団への加入強要等を規制しています。その違反行為に対しては、中止命令、再発防止命令、措置命令を発出できるとされています。
    平成4年3月1日の暴力団対策法施行後、平成28年末現在まで広島県警察においては348件の行政命令を発出しています。

    (広島県内における過去の主な中止命令事案)

     
       
    • 報酬金名目に金品を要求された事案 交通事故の示談に難航している者に対して、事故とは無関係の暴力団員が、一方的に保険会社へ提出する報告書のひな型を作成し、その報酬金名目に自己が所属する暴力団の威力を利用して金品を要求した事案。
    •  
    • 出所祝いの金名目に金品を要求された事案暴力団員が自身のことを現役暴力団と知っている者に対して、暴力団組織の威力を示した上、出所祝い金名目で暗に金品を要求した事案。
    •  
    • 暴力団への加入を勧誘した事案 かねてより暴力団に加入することとしていた男性に対し、「ひやかしとるんか」等と告げてその男性を威迫して、暴力団に加入することを勧誘した事案。
    •  
    • 迷惑料名目に金品を要求された事案暴力団員が経営する違法風俗店で働いていた者が、同店の風俗嬢と一緒に辞めると言い出したことに因縁をつけ、暴力団の威力を利用して脅迫し金品を要求した事案
    •  

    広島県における行政命令の発出状況(過去5年)

    団 体 名 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年
    共 政 会 4 4 1 0 2
    侠 道 会 2 2 4 4 2
    浅 野 組 2 2 3 0 2
    そ の 他 - - 1 0 2
    合 計 8 8 9 4 8
  3. 4.暴力団排除対策の推進
    県警や県民会議等では、暴力団取締りと連動させた暴力団排除対策を推進するため、国や県、各自治体、関係機関等と連携し、暴力団に対する資金源の枯渇化を図るとともに、暴力団が活動しにくい環境作りを推進しています。
    1. (1)公共工事等からの排除 公共工事等の受注者は、公共工事に関して暴力団員から不当要求があった場合は、行政機関への報告と警察への届出を義務づけています。
       これにより、平成28年末までの届出・相談は、199件あり、これを端緒に21件を事件化し、31人の暴力団員やその関係者を逮捕しています。
    2. (2)公営住宅からの排除 県内全自治体で公営住宅から暴力団を排除するための条例改正がなされ、平成28年末までに、入居者が暴力団員であることが判明した数は、延べ45人で、これら全てを退去させています。
    3. (3)生活保護からの排除 緊迫した状況にある場合を除き、暴力団組員からの申請は却下しています。
      その結果、平成28年末までに、県下の各市町で100件の申請却下又は受給廃止を行っています。
    4. (4)証券取引及び融資・預金取引からの排除  
      • 「広島県証券警察連絡協議会」を設立し、暴力団に対する取引拒否又は解約の措置を行っています。その結果、平成28年末現在、総会屋・暴力団等24人に対し取引を拒絶しました。
      • 「広島県銀行警察連絡協議会」を設立し、全取引から暴力団を排除しています。その結果、平成28年末現在、暴力団等246件の口座開設、融資申込みを拒否しています。
    5. (5)プロ野球からの排除「広島東洋カープ・広島市民球場暴力団排除連絡協議会」を設立し、市民球場からの暴力団・ダフ屋・不良応援団の排除対策を推進しています。
    6. (6)不動産取引からの排除  「広島県不動産団体・警察連絡協議会」を設立し、暴力団事務所の開設防止等に努めるなど暴排活動を展開しています。
    7. (7)生命保険からの排除 「広島県生命保険防犯対策協議会」を設立し、暴力団排除条項を導入し、生命保険の契約者、被保険者、受取人から暴力団を排除しています。
    8. (8)建設業界からの排除 建設業法が改正となり、国交省と連携して建設業界からの暴力団排除対策を推進しています。
    9. (9)警備業からの排除 「(一社)広島県警備業協会」では、暴力団排除条項の導入を推進するとともに、暴力団等反社会的勢力との関係遮断及び被害を防止するため、協会の発行する機関誌を活用しての広報啓発活動を推進しています。