暴力団総合対策の推進

  1. 1 暴力団総合対策の概況
    警察では、「組織犯罪対策の推進」を運営重点に係る推進項目の一つとして掲げ、
    • ○ 暴力団員等の徹底検挙と資金源の封圧
    • ○ 暴力団排除活動の推進と暴力団離脱者の社会復帰支援
    • ○ 暴力団情報の収集・分析
    • ○ 保護対策の徹底
    など暴力団等壊滅に向けた総合的な対策を推進しています。
  2. 2 暴力団員等の検挙状況
    1.  令和5年中、広島県警察では、暴力団構成員等を延べ約220人を検挙しています。特殊詐欺や違法薬物密売を含め、暴力団の威力を背景にした資金獲得活動が行われている現状にあります。

      主な検挙事例

      • ○ 六代目共政会傘下組織組員による強要未遂事件
      • ○ 六代目共政会傘下組織組員による恐喝未遂事件
      • ○ 住吉会傘下組織組員による詐欺幇助、覚醒剤取締法違反等事件
      • ○ 三代目俠道会傘下組織組員らによる恐喝未遂、建造物損壊事件
      • ○ 六代目共政会傘下組織組員による恐喝、組織犯罪処罰法、強要未遂事件


    3.暴力団員に対する行政命令
     暴力団対策法は、指定暴力団の暴力団員による暴力的要求行為や暴力団への加入強要等を規制しています。その違反行為に対しては、中止命令、再発防止命令、措置命令を発出できるとされています。
     平成4年の暴力団対策法施行後、令和5年末現在、広島県警察においては、375件の行政命令を発出しています。

    令和5年中における行政命令事案

    • ○ みかじめ料名目で金銭を要求した事案(中止命令)2件
    • ○ 迷惑料名目で金銭を要求した事案(中止命令)1件
    • ○ 代紋等を掲示していた事案(中止命令)2件

    広島県における行政命令の発出件数(過去5年)

    団 体 名 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
    共 政 会 1 2 1 0 2
    俠 道 会 1 0 1 1 1
    浅 野 組 0 0 0 0 2
    そ の 他 0 2 0 0 0
    合 計 2 4 2 1 5
  3. 4.暴力団排除活動の推進
     広島県警や暴力追放広島県民会議では、暴力団取締りと連動させた暴力団排除活動を推進するため、国や県、各自治体、関係機関等と連携し、暴力団に対する資金源の枯渇化を図るとともに、暴力団が活動しにくい環境作りを推進しています。
    1. (1)公共工事等からの排除 広島県等県下自治体が発注した公共工事の受注者は、公共工事に関して暴力団等から不当な要求があれば発注者への報告と警察への届出が平成15年から義務づけられています。
    2. (2)公営住宅からの排除 県内全自治体で公営住宅から暴力団を排除するための条例改正がなされ、令和5年末までに、入居者及び入居希望者等が暴力団員であることが判明した数は、延べ49人で、これら全てを排除しています。
    3. (3)生活保護からの排除 緊迫した状況にある場合を除き、暴力団員からの申請は却下させています。その結果、令和5年末までに県下の各市町で111件の申請却下又は受給廃止をしています。
    4. (4)証券取引及び融資・預金取引からの排除 「広島県証券警察連絡協議会」を設立し、暴力団に対する取引拒否又は解約の措置を行っています。その結果、令和5年末までに、総会屋・暴力団員等52件に対し取引を拒否しています。
       「広島県銀行警察連絡協議会」を設立し、全取引から暴力団を排除しています。その結果、令和5年末までに、暴力団等497件の口座開設、融資申込みを拒否しています。
    5. (5)プロ野球からの排除 「広島東洋カープ・広島市民球場暴力団等排除連絡協議会」を設立し、球場からの暴力団・ダフ屋・不良応援団等の排除対策を推進しています。
    6. (6)不動産取引からの排除  「広島県不動産団体・警察連絡協議会」を設立し、暴力団事務所の開設防止に努めるなどの暴力団排除活動を展開しています。
    7. (7)生命保険からの排除 「広島県生命保険防犯対策協議会」を設立し、暴力団排除条項を導入し、生命保険の契約者、被保険者、受取人から暴力団を排除しています。
    8. (8)建設業界からの排除 国土交通省中国地方整備局及び自治体等関係機関と連携して建設業からの暴力団排除対策を推進しています。
    9. (9)警備業からの排除 「(一社)広島県警備業協会」では、暴力団排除条項の導入を推進するとともに、暴力団等反社会的勢力との関係遮断及び被害を防止するため、協会の発行する機関紙を活用しての広報啓発活動を推進しています。